商業区画づくりで押さえたい「天井高・階高」のポイント
- コラム
商業区画の実務ノート(第1回)
商業施設や商業ビルでは、立地条件や経済条件に問題がなくても、区画の大きさや形状、設備仕様などの「区画条件」が原因でテナント誘致を断念せざるを得ないケースがあります。その多くは、企画・設計初期の判断に起因します。
今回は、商業コンサルタントが実務で重視している「天井高・階高」の考え方をご紹介します。

※商業区画では、天井高だけでなく設備スペースの確保も重要になります。
「天井高は高ければ良い」わけではない
「天井は高いほど開放感があり望ましい」と思われがちですが、必要以上の天井高は空調効率の低下や内装コストの増加を招きます。そのため、天井高は誘致したいテナントを踏まえて設定することが重要です。
幅広い業種に対応できる汎用性を重視するのか、特定の業種に特化させるのかによって、適した天井高は変わります。十分な天井高を確保しにくい場合は、スケルトン天井を採用するケースもあります。
「設備スペースを見据えた」天井高・階高の考え方
商業区画では、階高や天井高の寸法だけでなく、設備を納める空間をどれだけ確保できるかが重要になります。
ここにはダクトや配管などが納まりますが、特に飲食店では物販店に比べて大きな設備スペースを要します。
十分な天井高を確保した計画でも、設備スペースが不足していれば、結果的に天井を下げざるを得ず、想定していたテナントが出店できなくなるリスクがあります。
実務のポイント
テナントから「使いやすい」と評価される区画づくりは、その後のリーシングの成否にも影響します。
比較的制約が少ない民間事業では、商業区画として必要な条件を計画初期から着実に盛り込むことが重要です。
一方、住宅やオフィスなど他用途との調整が必要となる再開発事業では、すべてを理想通りに実現できるとは限りません。だからこそ、どこまでなら商業区画として成立するのか、どこを下回ると誘致できる業種が限られるのかを見極めながら、事業全体のバランスを図ることが求められます。
いずれの場合も、計画初期の判断が建物の収益性や長期的な価値を左右するからこそ、早い段階から商業の視点を取り入れることが大切だと考えています。
本シリーズでは、今後もこうした実務の視点をご紹介してまいります。ご質問・ご相談はお問い合わせページよりお気軽にどうぞ。次回は、「床下げ」の考え方についてご紹介します。
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