商業区画づくりで押さえたい「床下げ(スラブ下げ)」のポイント
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商業区画の実務ノート(第2回)
商業区画では、床下げを行うかどうか、またどの程度行うかも、計画段階で検討すべき重要なポイントです。
一般的に「飲食店ならば床下げが必須」と思われがちですが、階高やレイアウト自由度、将来転用の方針によって最適解が大きく変わる要素です。 今回は、テナントの使い勝手や出店を左右する「床下げ」について、実務の視点をご紹介します。
床下げが採用される理由
飲食店では、厨房部分の床スラブをあらかじめ下げておく計画が多く見られます。
最大のメリットは、配管の傾き(勾配)やグリーストラップ等を「床下空間」に納められる点です。これにより、以下の効果が得られます。
◇段差のないスムーズな動線:客席と厨房等の段差を抑え、スタッフの移動等オペレーションをスムーズにできる。
◇厨房内の天井高の確保:厨房の床を上げずに済むため、十分な天井高(有効高さ)を確保しやすくなる。

床下げ検討時の注意点
床下げには複数の方式があり、それぞれに異なる注意点があります。
「厨房位置を想定して床下げする場合」
◇レイアウト自由度の低下:設計段階で厨房位置を想定して床下げすると、実際のテナントが希望するレイアウトに対応しにくい場合もある。
「区画全体を床下げする場合」
◇内装工事費の増加:区画全体を床下げすると、客席部分の床上げ工事が必要となり、テナント側の内装コストが増加しやすい。

実務のポイント
階高に十分な余裕があれば、あらかじめ床スラブを下げるのではなく、厨房部分だけを「床上げ」して配管等を納める選択肢もあります。この方法であれば、将来的に物販店などへ転用する際も対応しやすくなります。

どの方法が正解かは、単に建築都合で決めるのではなく、以下の要素を踏まえて総合的に判断することが重要です。
◇狙うテナント層やマーケット状況:どのような業種に出店ニーズがあるか
◇区画の大きさや形状・階高:厨房想定位置が設定しやすいか、十分な階高があるか
◇将来の転用性:物販への転用を想定するか、また想定できる立地か
これらの要素を踏まえ、床下げの有無や範囲を区画ごとに見極めることが、使いやすい商業区画につながります。
※本シリーズについて
本シリーズでは、今後もこうした実務の視点をご紹介してまいります。ご質問・ご相談はお問い合わせページよりお気軽にどうぞ。次回は、「再開発と民間開発で異なる商業の考え方~所有形態が商業ゾーンに与える影響~」についてご紹介します。
※本記事は「商業区画の実務ノート」第2回です。 前回の記事もあわせてご覧ください。
▼ 第1回記事はこちら
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